事業計画と実績とのギャップについて

起業をするにあたって、皆さんは事業計画を立てることになるかと思います。
まず年間予想売上を立てて、その売上を上げるための仕入を見込み、
想定している人員の計画から人件費を計算、
その他旅費交通費や通信費といった雑費関係を計上して、
税金を差し引く前の利益を算出していきます。

この事前に立てた事業計画に対して実績というものがあるわけですが、
計画と実績にズレが生じやすいのが、「売上の推移」です。
上振れだったらよいのですが、往々にして下振れすることが多いです。
次の2つのケースに分けて、何故このようなことが起こるのかについて考えていきたいと思います。

1.競合ひしめくレッドオーシャン市場での起業の場合
レッドオーシャン市場で起業する場合、
その市場で売ろうとしている商品・サービスは一般的にすでに認知されているため、
お客様はすぐに購入してくれるというイメージが起業者も容易についてしまっています。
このケースで考えられる下振れ要因としては、以下があげられます。
・競合がしのぎを削っているので、想定していたよりも集客と成約ができない
→レッドオーシャン市場の場合はパイの取り合い合戦のため、
既存企業に比べてうまく集客と成約ができるというのは安易な考えであった。
・当初販売時は薄利であることが多いため、生き残っている企業はその後のアップセルや
リピート、顧客紹介といったところにノウハウを築き利益を上げているが、
そのプロセス全体は外部からは見えづらいため、
起業者である新規参入者は当初販売に続く十分な売上を継続的にあげれない。

売上がなかなか思うように伸びていかないといったことが
往々にしておこりやすいのがこのケースかと思います。

2.ビジネスアイデアやニッチ分野といったブルーオーシャン市場での起業の場合
誰もまだ思いついていないようなビジネスアイデアや、
他企業が入り込んでいない未開拓なニッチ分野で起業をする場合、
一見、競合がいないオンリーワン市場なので順調に売り上げを上げることができると
思われるかもしれませんが、これもなかなかうまくいきません。
その理由としては、以下があげられます。
・その商品自体がまだお客様に認知されていないため、理解のための教育に時間がかかりすぎる。
→たとえば、遺伝子検査によるサプリメント販売など、どうでしょうか。
まず遺伝子検査とはどういったものかや、なぜそれがサプリメントと関係があるのかなど、
お客様に理解してもらうためセミナーやメディアでのリリースなどで十分に理解してもらう必要があります。
・ニッチすぎてそもそも市場がなかった。
→よく、市場を絞ってUSPを立てて、価格競争に巻き込まれるなという話があるかと思いますが、
絞りすぎてお客様そのものがいないというミスをしてしまうこともあります。

理解してもらうための教育という時間がかかりすぎるということや、
そもそもニッチすぎる市場であり十分な売上を計上することができず、
その間に手許資金が尽きてしまい、ギブアップというパターンが多いでしょうか。

いかがでしょうか。
上記に加えて海外展開を考えているケースというのもあるのですが、
これはまたの機会にしたいと思います。

今回のお話は、計画を立ててもうまくいかないということを言いたいのではなく、
かなり綿密に計画をたてないと、過去の経験上、
なかなかうまくいかないことがあるということをお伝えしたかったということであります。
これから起業しようと考えられている方は、
上記のようなさまざまな下振れリスク、上振れリスクを十分考慮し、
それでも事業継続していけるという確信を得てから起業するというのが、
ほんとうに大切なことかと思っております。